2011年7月23日土曜日

本朝劔道略傳 松井冨次郎茂仲 歌川国芳

Matsui Tomijirô Shigenaka, from the series Biographies of Our Country's Swordsmen (Honchô kendô ryakuden) / Kuniyoshi
本朝劔道略傳 松井冨次郎茂仲 歌川国芳 1845~1846年頃

"幼稚時異人に倡(いざな)ハれ劔法を学びその後父の家に皈(かへ)り日夜学問執行なし暮せしに故あつて兄を何某に討れ其仇を尋んと所々方々廻りありき或時人も通ハぬ山中に分入このやま越にたどり行かバいづれへかむかふべし行て見むやと只一人道もなき山越にて日もはややう/\西にかたむきしころ一ツのながれに出たりしが何心なく此川をわたりしニ此方の岸なる草深き所より数千の蛇一群となりむかふの岸へわたりいづくともなくされけれバふしぎと見るうち年の頃三十ばかりなる女忽然と来りて云たるハ今蛇の川を渡りたるハきのふ降たる雨に川水ましたれバ蛇疑ひて集り居たるが今御身の渡たまひし?をみて夫をたよりに渡りしなりと語るこれ仙女にして冨次郎にさまざまの薬を与へ身の行末を教へ立去たる此後彼薬を服して大蛇をうち其毒氣を遁れしとぞ誠に名誉の達人と云つべし"

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