古根本朝名女百傳 綺田村孝女 歌川国芳 1843年
"山城國綺田村(かハだむら)に善心深き農民あり一人の女子を持しが顔貌美く父母に至孝にて幼少より佛を帰依し父或時童の為に殺れんとせし蟹を救け或日また蛇(くちなハ)の蟇を呑んとするを見て汝蟇を放ちやらバ我娘を與(あたへ)んと戯れに云たりしに言葉の如く放やり次の夜より人と化し約束の息女をたまハれと來ること三夜なり終に女を与へざれバ正身の蛇となつて寝間近く來りしかバ小女ハ一心に普門品を讀誦し信心す折から數多の蟹あらハれ件の蛇を亡して危き難をすくひける今彼所にある普門山蟹満寺ハ其蛇を埋たる地へ建しものなり くちなハの呑んとよれる池水にわかかへる手のかげやとめけん 柳下亭種員記"
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