科学史技術史研究所 » Blog Archive » 元原子力委員など福島原発事故・緊急建言/日本学術会議提言
福島原発事故についての緊急建言・福島原発事故に係る主な課題(pdf)
福島原発事故についての緊急建言
はじめに、原子力の平和利用を先頭だって進めて来た者として、今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝いたします。
私達は、事故の発生当初から速やかな事故の終息を願いつつ、事故の推移を固唾を呑んで見守ってきた。しかし、事態は次々と悪化し、今日に至るも事故を終息させる見通しが得られていない状況である。既に、各原子炉や使用済燃料プールの燃料の多くは、破損あるいは溶融し、燃料内の膨大な放射性物質は、圧力容器や格納容器内に拡散・分布し、その一部は環境に放出され、現在も放出され続けている。
特に懸念されることは、溶融炉心が時間とともに、圧力容器を溶かし、格納容器に移り、さらに格納容器の放射能の閉じ込め機能を破壊することや、圧力容器内で生成された大量の水素ガスの火災・爆発による格納容器の破壊などによる広範で深刻な放射能汚染の可能性を排除できないことである。
こうした深刻な事態を回避するためには、一刻も早く電源と冷却システムを回復させ、原子炉や使用済燃料プールを継続して冷却する機能を回復させることが唯一の方法である。現場は、このために必死の努力を継続しているものと承知しているが、極めて高い放射線量による過酷な環境が障害になって、復旧作業が遅れ、現場作業者の被ばく線量の増加をもたらしている。
こうした中で、度重なる水素爆発、使用済燃料プールの水位低下、相次ぐ火災、作業者の被ばく事故、極めて高い放射能を含む冷却水の大量漏洩、放射能分析データの誤りなど、次々と様々な障害が起り、本格的な冷却システムの回復の見通しが立たない状況にある。
一方、環境に放出された放射能は、現時点で一般住民の健康に影響が及ぶレベルではないとは云え、既に国民生活や社会活動に大きな不安と影響を与えている。さらに、事故の終息については見通しがないとはいえ、住民避難に対する対策は極めて重要な課題であり、復帰も含めた放射線・放射能対策の検討も急ぐ必要がある。
福島原発事故は極めて深刻な状況にある。更なる大量の放射能放出があれば避難地域にとどまらず、さらに広範な地域での生活が困難になることも予測され、一東京電力だけの事故でなく、既に国家的な事件というべき事態に直面している。
当面なすべきことは、原子炉及び使用済核燃料プール内の燃料の冷却状況を安定させ、内部に蓄積されている大量の放射能を閉じ込めることであり、また、サイト内に漏出した放射能塵や高レベルの放射能水が環境に放散することを極力抑えることである。これを達成することは極めて困難な仕事であるが、これを達成できなければ事故の終息は覚束ない。
さらに、原子炉内の核燃料、放射能の後始末は、極めて困難で、かつ極めて長期の取組みとなることから、当面の危機を乗り越えた後は、継続的な放射能の漏洩を防ぐための密閉管理が必要となる。ただし、この場合でも、原子炉内からは放射線分解によって水素ガスが出続けるので、万が一にも水素爆発を起こさない手立てが必要である。
事態をこれ以上悪化させずに、当面の難局を乗り切り、長期的に危機を増大させないためには、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、関係省庁に加えて、日本原子力研究開発機構、放射線医学総合研究所、産業界、大学等を結集し、我が国がもつ専門的英知と経験を組織的、機動的に活用しつつ、総合的かつ戦略的に取組むことが必須である。
私達は、国を挙げた福島原発事故に対処する強力な体制を緊急に構築することを強く政府に求めるものである。
平成 23 年 3 月 31 日
青木 芳朗 元原子力安全委員
石野 栞 東京大学名誉教授
木村 逸郎 京都大学名誉教授
齋藤 伸三 元原子力委員長代理、元日本原子力学会会長
佐藤 一男 元原子力安全委員長
柴田 徳思 学術会議連携会員、基礎医学委員会。総合工学委員会合同放射線の利用に伴う課題検討分科会委員長
住田 健二 元原子力安全委員会委員長代理、元日本原子力学会会長
関本 博 東京工業大学名誉教授
田中 俊一 前原子力委員会委員長代理、元日本原子力学会会長
長瀧 重信 元放射線影響研究所理事長
永宮 正治 学術会議会員、日本物理学会会長
成合 英樹 元日本原子力学会会長、前原子力安全基盤機構理事長
広瀬 崇子 前原子力委員、学術会議連携会員
松浦祥次郎 元原子力安全委員長
松原 純子 元原子力安全委員会委員長代理
諸葛 宗男 東京大学公共政策大学院特任教授
2011年11月17日木曜日
2011年10月13日木曜日
通販生活(カタログハウス)「救援募金を福島の子どもの甲状腺検査活動に使わせて下さい。」
通販生活HP | 東日本大震災に関して
"被災された方々のために 一口2000円~の「あなた方を忘れない救援募金」を立ち上げました この救援キャンペーンは2015年末まで続けます。"
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通販生活 2011年秋冬号82頁
読者の皆さまへ
来年1月からの「あなた方を忘れない救援募金」は、
福島の子どもの甲状腺検査活動に
使わせてください。
福島県では「18歳以下~ゼロ歳児までの36万人」に、
・11年10月から14年3月末にかけて、超音波による甲状腺検査を1回行い、現状を把握する。
・14年以降も18歳未満は2年ごとに、20歳を超えた人は5年ごとに超音波検査を行う。
・しこりなどの異常が見つかった場合は、採血、尿の検査などで詳しく調べる。
としています。(11年8月31日現在)
36万人という大量の数だから仕方ないとは思いますが、3年かけて1人1回、次からは2年に1回の診察というスピードはやはり現状に合わないのではないかと心配しています。
これからの私たちの支援の課題は、福島県の個人線量、甲状腺超音波検査、一般健診をどうしたら補完できるか、にあると考えます。
福島県では甲状腺の異常を超音波で調べる方法を採用していますが、もう一つの検査として、採血した血液中の甲状腺ホルモンの濃度から甲状腺機能の正常・異常を診断する方法があります。
80頁の『白樺湖7泊8日ご招待』では、JCF(認定NPO法人、日本チェルノブイリ連帯基金/理事長・鎌田實さん)のご尽力で福島原発から30キロ圏内の子どもたちを中心に130人の子どもたちが信州大学医学部附属病院の小児科(小池健一教授)で診察を受けました。
その結果、10人が「念のため経過観察を要する」と診断されました。130人の採血分析および尿検査等の費用約52万円(健康保険3割負担)はJCFが払ってくださいました。
このような検査であれば1人当り約4,000円でまかなえます。1万人で4,000万円、10万人で4億円。かつて本誌読者はチェルノブイリ子ども支援募金に総額4億7,481万2,055円を払い込んでくださいました。(90年冬号から08年夏号まで)
福島県主催の甲状腺検査の具体的なスケジュールが決まり次第、県のスケジュールの間隔を埋めるかたちで、どの医療機関とどんな甲状腺検査をどの地区の何歳児から始められるか……いま、チェルノブイリの子ども医療支援で20年の経験をもつJCFの神谷さだ子事務局長を中心として対応策を練っています。
来春から支援活動を始められる見通しが立てられれば、さっそく次号(12年春号)から、福島の子ども検査支援募金をスタートさせる予定です。
※該当ページには「信州大学医学部附属病院小児科で採血をする兄弟(11年8月18日)」というキャプションがついた写真が掲載されている。
※今後のカンパ募金の使い道についてはこちら ( PDF, 1.51MB)
※その後カタログハウスは通販生活春号(2012年1月)において
「売上げの1%を福島の子ども支援に当てるとした11 年発行の「ピカイチ事典12 年版」の最終売上げ(12年6月30日締切)が60 億に達することがほぼ確定しました。その1%の6000万円(すでに1800万円支払い済み)があるので、春号での募金はけっこうです。」
という良くわからない理由から
「あなた方(福島)を忘れない救援」の募金は「通販生活」2012年春号ではお休みします。」
と公告した。4億円必要だと言っていたのにカンパ募金を一時停止したということは、募金の使途の再検討を行なっているのだろう。ただしHPには
"「来年1月からの「あなた方を忘れない救援募金」は、福島の子どもの甲状腺検査活動に使わせてください。"
というpdfも残されており、矛盾している。
※今後のカンパ募金の使い道についてはこちら ( PDF, 1.51MB)
※その後カタログハウスは通販生活春号(2012年1月)において
「売上げの1%を福島の子ども支援に当てるとした11 年発行の「ピカイチ事典12 年版」の最終売上げ(12年6月30日締切)が60 億に達することがほぼ確定しました。その1%の6000万円(すでに1800万円支払い済み)があるので、春号での募金はけっこうです。」
という良くわからない理由から
「あなた方(福島)を忘れない救援」の募金は「通販生活」2012年春号ではお休みします。」
と公告した。4億円必要だと言っていたのにカンパ募金を一時停止したということは、募金の使途の再検討を行なっているのだろう。ただしHPには
"「来年1月からの「あなた方を忘れない救援募金」は、福島の子どもの甲状腺検査活動に使わせてください。"
というpdfも残されており、矛盾している。
2011年10月10日月曜日
瓦版 東北海岸の海嘯 発行人 原田音十郎 1896年6月23日
「地震火災版画張交帖」(石本コレクションI)目録 (via hasso)
瓦版 東北海岸の海嘯(目録番号 6) 発行人 原田音十郎 1896年6月23日
"明治廿九年六月十五日午後七時ニ始リ同十六日ニ至リ激震三十一回被害ノ實況 岩手縣釜石ハ死亡五千人斗流失 同盛町附近ハ死亡四千人 流出家二千餘戸 同大槌町附近ハ死亡六百人 流家五百餘戸 同山田町大半流失其附近合テ流失三百餘戸 死者千人 宮城縣ハ死亡三千百三名 傷者五百五十流失及ひ破損ノ家屋ハ九百七十三 同本吉郡歌津村ノ如キハ戸數六百一ハ家屋悉く流失 死者六百餘負傷者二百 同唐桑村ハ戸數七百七十ノ内流失二百六十死者八百二十三人ナリ 青森縣ハ三戸部五十余 上北郡ハ二百五十餘戸 流失死者不詳 同宮古町ハ流失家屋不詳死者七十餘"
"右ニ付三縣下到ル処電信不通ト相成ル 陸中ノ國海岸ニハ外國ノ汽舩三隻モ陸上ヘ打上ケタリ 各國ノ公使ヨリハ本國ヘ向ケ不残電報相成ル 岩手縣雄勝地方ヘ使役ノ重罪人二百四十名斗ハ百名程ハ死亡ス 并ニ出役人員モ多く殉難スルアリ 又同縣港町邊ハ帆前舩并ニ大小百餘隻ノ漁舩ハ舟ノ鼻先ヲ家屋ノ内ヘ付キ込ミ羽目板ヲ破リ居ル等誠ニ言語同断ノ大變ナリ 尚此ノ日ハ五月節句ノ當日ナレハ各村各町ハ酒宴ノ催シ盛ンナルニ當リ死人モ殊ノ外夥シト云"
"図中○印ハ被害ノ尤甚キ処ナリ 黒線ハ鐡道線ナリ 又再三ノ報知ニヨレハ岩手縣ノ分ハ死者二萬二千百八十六人負傷千二百四十四人ナリ 青森縣死者三百八人負傷百四十人ナリ 家屋ノ流亡及破壊四百八十ナリ宮城縣ハ未タ詳ナラス"
"附タリ 岩手縣ニテハ被害ノ當日大火モアリ戸數詳ナラスト雖モ水火両難恰モ人間世界ノ有様ニテハナク海嘯ノ高キケ所ハ五丈餘ニテ押寄セタル景況實ニ可驚ノ次第ナリケリ"
"明治廿九年六月廿日印刷編輯發行兼 同年同月二十三日發行印刷者 東京本郷区丸山新町三十四番地 原田音十郎"
※翻刻文、ここにあった。骨折り損。orz
瓦版 東北海岸の海嘯(目録番号 6) 発行人 原田音十郎 1896年6月23日
"明治廿九年六月十五日午後七時ニ始リ同十六日ニ至リ激震三十一回被害ノ實況 岩手縣釜石ハ死亡五千人斗流失 同盛町附近ハ死亡四千人 流出家二千餘戸 同大槌町附近ハ死亡六百人 流家五百餘戸 同山田町大半流失其附近合テ流失三百餘戸 死者千人 宮城縣ハ死亡三千百三名 傷者五百五十流失及ひ破損ノ家屋ハ九百七十三 同本吉郡歌津村ノ如キハ戸數六百一ハ家屋悉く流失 死者六百餘負傷者二百 同唐桑村ハ戸數七百七十ノ内流失二百六十死者八百二十三人ナリ 青森縣ハ三戸部五十余 上北郡ハ二百五十餘戸 流失死者不詳 同宮古町ハ流失家屋不詳死者七十餘"
"右ニ付三縣下到ル処電信不通ト相成ル 陸中ノ國海岸ニハ外國ノ汽舩三隻モ陸上ヘ打上ケタリ 各國ノ公使ヨリハ本國ヘ向ケ不残電報相成ル 岩手縣雄勝地方ヘ使役ノ重罪人二百四十名斗ハ百名程ハ死亡ス 并ニ出役人員モ多く殉難スルアリ 又同縣港町邊ハ帆前舩并ニ大小百餘隻ノ漁舩ハ舟ノ鼻先ヲ家屋ノ内ヘ付キ込ミ羽目板ヲ破リ居ル等誠ニ言語同断ノ大變ナリ 尚此ノ日ハ五月節句ノ當日ナレハ各村各町ハ酒宴ノ催シ盛ンナルニ當リ死人モ殊ノ外夥シト云"
"図中○印ハ被害ノ尤甚キ処ナリ 黒線ハ鐡道線ナリ 又再三ノ報知ニヨレハ岩手縣ノ分ハ死者二萬二千百八十六人負傷千二百四十四人ナリ 青森縣死者三百八人負傷百四十人ナリ 家屋ノ流亡及破壊四百八十ナリ宮城縣ハ未タ詳ナラス"
"附タリ 岩手縣ニテハ被害ノ當日大火モアリ戸數詳ナラスト雖モ水火両難恰モ人間世界ノ有様ニテハナク海嘯ノ高キケ所ハ五丈餘ニテ押寄セタル景況實ニ可驚ノ次第ナリケリ"
"明治廿九年六月廿日印刷編輯發行兼 同年同月二十三日發行印刷者 東京本郷区丸山新町三十四番地 原田音十郎"
※翻刻文、ここにあった。骨折り損。orz
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